軽度知的障害&適応障害の睦月 冬花(むつき とうか)の日常

平成31年2月14日に軽度知的障害・適応障害と診断された26歳女性です。障害の事、趣味(ハンドメイド・イラスト・アニメ・漫画)の事、おすすめ商品の紹介など、日常生活の中で感じた事などを綴る雑多ブログです。

刀根里衣さん作 絵本 『なんにも できなかった とり』感想

子供の頃に愛読していた絵本は何だったか…。今はもう思い出せませんが、

当時の絵本たちが私に見せてくれた物語の世界の楽しさは忘れません。

子供だった頃は、ただ単純に『絵』を楽しんでいる所がありました。

ですが大人になると『物語』と『その中にある作者の意図』のようなところにも興味が湧く様になりました。

昔見ていたアニメを大人になって見てみると、感じるものが違うのと同じような感覚で、大人になったからこそ、心に刺さる。

そんな素敵な絵本たちを紹介したいと思います。

 

刀根里衣さん イタリアデビュー作『なんにも できなかった とり』


なんにもできなかったとり

あらすじ 

 なにをやってもうまくできない不器用な一羽のとり。 そのとりは、当時、無力感を抱いていた作家自身でした。 売り込みに応じたイタリア人編集者が、ページを閉じた瞬間に出版を決めたという感動作。 生きるとは何か、幸せとは何かを考えさせられる結末に、心が震えます。

 

 

 私が刀根さんの作品を知ったのはこの『なんにも できなかった とり』が

最初でした。

当時、私はまだ自分の障害について知らない時で、

職場で上手く仕事が覚えられずにミスばかりしていて

対人関係のストレスもありとても精神的に参っていた頃に、

仕事帰りにたまたま立ち寄った本屋で、平積みの中で立てられていたこの本が目に止まりました。

 

表紙の鮮やかなそれでいて、どこか穏やかなオレンジ色に目を引かれて近くに行って、タイトルを見た時にグッと心惹かれました。

『なんにも できない』正しく今の自分の状態の事で…『できなかった』と過去形になっているのが気になりました。

あとはこのとりの…なんともいえない顔が好みだったのでwww

購入して帰りました。

 

作者 刀根里衣さんとは  

 刀根 里衣(とねさとえ)

 

1984年、福井県生まれ。2007年、京都精華大学デザイン学部ビジュアルコミュニケーション学科卒業。2010年、製作した絵本のサンプルが、ボローニャ児童書ブックフェアの会場でイタリア人編集者の目にとまり、翌年、絵本作家としてデビュー。それを機にイタリアに渡り、ミラノを拠点に創作活動を行っている。本書は、2012年にボローニャ国際絵本原画展に入選した「まほうつかいうさぎと100のコーヒー」を絵本化した作品である。2013年には同原画展において国際イラストレーション賞を受賞。幻想的、かつ繊細な筆致が高く評価され、メディア等でも話題となる。その受賞作を絵本化した“El viaje de PIPO”(『ぴっぽのたび』)、2匹のネコを主人公にしたハートフルな絵本 “Dove batte il cuore”(『きみへのおくりもの』)、イタリアデビュー作“Questo posso falro”(『なんにもできなかったとり』)の日本語版は小社より刊行。いずれも読者より大きな反響を得ている。

刀根里衣作『なんにもできなかったとり』新刊記念インタビュー 

 

www.ehonnavi.net

 

なんにも できなかった とり 読んでみた感想 ※ネタバレ注意

 周りのみんなが出来ることが、なにひとつ上手く出来なくて…

工夫して努力してみるけどそれでもやっぱり周りと同じようにはできないとり。

中でも私の心に刺さった一文は

『ああ、どうしてぼくだけ なんにも上手に できないの?』

この一文です。

思わず涙が出そうになりました…。当時の自分の心境そのものだったからです。

怠けている訳でも無い。不真面目にしている訳でも無い。なのに上手くいかない。

結果につながらない…ミスして怒られてばっかりで…。

焦りと、自分への苛立ちが常にあったので余計にこの24文字が刺さったんでしょう。

 

とりは仲間とはぐれてしまいひとりになります。

そこに『安心して花を咲かせられる場所がなくてこまってる』という花と出会い、

とりは『ぼくの体なら どこへも飛ばされずに 花を咲かせられるよ』と提案します。

『こんなぼくでも だれかの役に立てることが きっとある…』

その思いで、とりは雨の日も風の日も、どんなに太陽に照り付けられようとも

自分の体から栄養を得て芽を出した花たちを守り続けました。

 

そして季節が春を迎えた頃、とりの姿は無くなっていて…

代わりに大きな木がそこにはありました。

とりだった その大きな木はたくさんの花を咲かせ、とりたちが集う…

とても美しく、幸せな場所になったのでした…。

 

最後まで読んで、感じたのは とりの『自己犠牲』の精神。

自分の全てを捧げて『だれかの役に立ちたい』と思って、

最終的にはとりの思いは叶った事になるんですが…

なんとも切ない気持ちになります。

とりは『困っている花』を『助けてあげたかった』だけで、

別に『こんなに頑張ってるのえらいでしょ?』と言っている訳ではありません。

でも仲間といる時から『こんなに頑張っているのに なんで?』と思っていたはずです。

なんにも できなかった とりが、最後はだれかの役に立てた。

だから過去形の『できなかった』になるんですね。

 

なんにもできない というのはマイナスな事ばかりでは無く、『可能性がある』とも

取れるのですが、当時の私がネガティブな思考に捕らわれていただけなんですwww

いろいろ試してみたら、『自分にしか出来ない事が見付かる時が来る』というメッセージもあると、今なら感じます。

素敵な作品に暗いイメージをつけたくないのでwww

読む人によって、感じ方はたくさんあると思います。

皆さんも昔読んでいた絵本などを、本屋さんや図書館などで見付けて読み返してみたら

昔は分からなかった事が感じ取れるかも知れません。

 

まとめ

 不器用で優しいとりのお話でしたが、イラストもとっても可愛らしいです。

そんなにたくさんの文章がある訳じゃないので読みやすいですが、

大人に読んでもらいたい作品です。

精神的に追い詰められている時に読むと、涙が零れます。

 

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